=
News
お知らせ
  • PAPLUS®(パプラス)Instagram
  • PAPLUS®(パプラス)facebook
Journal

新たな循環を作り出す素材、PAPLUS®のリサイクルについて

新たな循環を作り出す素材、PAPLUS®のリサイクルについて

役目を終えたPAPLUS®は回収、再製品化されます。PAPLUS®の回収スキームにPAPLUS®を使っていただくみなさまが参加することにより、新たな循環が形づくられるのです。第4回のPAPLUS® Journalでは、新たな循環を生み出すPAPLUS®の「リサイクル」についてお伝えしていきます。

聞き手・文:Yuki Oshima
写真:Tou Zuiko(plana inc.)

「新たな循環」が巻き起こるきっかけを

──今日はPAPLUS®のリサイクルについてお話をお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

鍵本:PAPLUS®は2021年12月より一般販売をスタートし、今では9種類の製品をリリースしました。私たちは、単なる生分解性を有する素材としてではなく「新たな循環」が巻き起こるきっかけとしての素材と捉えています。特徴は、原材料から製品に至るまで、そして使い終わった後の素材も循環の仕組みに組み込んでいるところです。

PAPLUS®のリサイクルの図
PAPLUS®のリサイクルの図

鍵本:役目を終えたPAPLUS®をお客さまが私たちの手元へお返しくださった製品はもちろん粉砕を行い、リサイクルを行います。さらに、その数量などをWeb上で公開しています。
https://paplus.jp/traceability/

加えて、製造の過程で必ず出る端材や未完成品、不良品なども残さず粉砕し、新たな製品にいたします。ローンチしたばかりの段階ですので、実際に製品化はまだありませんが、現在、粉砕した素材を貯蔵している段階です。今後、多くの方にPAPLUS®を使って頂くことで、リサイクルされる製品の数も増えていきます。

製造過程で必ず出る端材や未完成品は、粉砕し、チップ状に。
製造過程で必ず出る端材や未完成品は、粉砕し、チップ状(写真右上、瓶内)に。

お客さまからの丁寧なメモ書きとともに返品された製品。
お客さまからの丁寧なメモ書きとともに返品された製品。これらもリサイクルに用いる。

作る過程も、環境に配慮を

──粉砕された素材が、どのように新たなPAPLUS®に生まれ変わるのでしょうか。

深澤:PAPLUS®は紙をパウダー化したものとポリ乳酸(PLA)の樹脂を独自の配合方法で混ぜ合わせ、ペレットと呼ばれる米粒状の原料になります。リサイクルする際には、役目を終えた製品を粉砕した素材を混ぜ、新たな製品にリサイクルするのです。そのためにかなり試行錯誤しましたね。そこで、元の原材料100%で作った製品とほぼ変わらない品質の製品ができる素材の配合割合を、決めることができました。

──粉砕された素材を、そのままペレット化し、リサイクルしていると思っていました。

深澤:実は、紙の粉末ととうもろこし由来のポリ乳酸(P L A)は混ざりにくいのです。そのため、均一のペレット状に混練するには特殊な技術も手間もかかりますし、輸送コストもかかります。このため私たちは、粉砕の作業を成形の工場で一括して行い、無駄なコストがかからないようにしているのです。輸送コストがかからないということは、C O2を削減できるということ。輸送にかかる際のCO2は軽視できないもので、そこまで意識してもの作りをしていくことは今後、必要不可欠なものと考えています。

代表 深澤
カミーノ代表 深澤

リサイクルも付加価値の一つなのではないか

鍵本:環境に配慮した素材であるPAPLUS®を作る過程で、CO2をたくさん出していたら本末転倒。日本では江戸時代、かなり環境意識の高いことをやっていたんですよね。例えば、多種多様なリユース、リサイクル業者がたくさんいて、着れなくなった着物は紐にしてまた売ったり、人間の排泄物を肥料として使ったり。「もったいない」と言う感覚が今も私たちの中にあるのも、その習慣の名残りかもしれませんね。だからこそ、当たり前のことすぎて、そこに価値を見出せないのかもしれない。

鍵本:ヨーロッパでは、リサイクル製品は付加価値があるという認識が根付いています。環境にやさしいものが価値のあることだとすれば、リサイクルすることで価値が上がるという感覚はごく当然なことです。ですが、日本はまだまだそこまで意識が追いついていないと感じます。繰り返し使うこと、環境に配慮することが豊かであるという意識をもっと現代の日本人に感じてほしい。そのために、少しずつこのような発信をしていくことで、文化を作っていきたいです。

取締役 鍵本
カミーノ取締役 鍵本

今までより、幅広い人たちに知ってほしい

──今、改めて環境配慮の重要性を製品を通して伝えていきたいですよね。このトレー、マーブル柄が素敵ですね。

鍵本:これからローンチする製品です。お店のキャッシュトレーや、ホテルのバスアメニティ置きなど様々な用途で使えます。一般のお客さまにもご自宅で使っていただきたい。実は、このマーブル模様は、開発の初期段階でたまたまできたもの。それを製品化するためのノウハウを試行錯誤し、やっとこの柄の製品をローンチすることが叶いました。

マルチトレー
トレーはリバーシブルで、様々な用途に使える。
※マーブル模様の関しては、射出成形の一種の方法として特許取得済み。

深澤:さらに、PAPLUS®に海外からの引き合いも増えてきました。来月行われる「MADE IN JAPAN IN MONACO」というモナコのイベントでは、ノベルティとしてPAPLUS®タンブラーが採用されたのです。商談のため、現地のパリやロンドンへ出張します。私が元々、外交官であったこともあり、海外に日本製の環境に配慮した製品を紹介できることはとても嬉しいことです。これからも、このような活動を重ねていきます。

 

「MADE IN JAPAN IN MONACO」のノベルティ
「MADE IN JAPAN IN MONACO」のノベルティとして採択されたPAPLUS®タンブラー。製品のメッセージが書かれたカードは英訳がされている。

  • Home
  • News
  • 新たな循環を作り出す素材、PAPLUS®のリサイクルについて