ソフトバンク株式会社はこれまで、持続可能な社会の実現に向けたさまざま
な環境・社会・ガバナンス(ESG)活動を進めてきましたが、新型コロナウィルス感染予防に対応するため、社内の各階ラウンジで使用するカップ及び蓋を全て使い捨ての紙コップ・プラスチック製蓋を採用していました。

しかし、パンデミックが収束する中で、環境負荷の低減を目指して、使い捨てカップ・蓋を繰り返し使用可能な製品に変更することを検討することとし、導入に向けた実証実験を全23フロアのうち２フロアで実施します。


【リユースカップ及びリッド導入による廃棄物削減取り組み】

■目的
これまで使用してきた使い捨て紙コップ及びプラスチックリッド（蓋）をリユースに変更することで生じる様々な事象を把握する。

■導入場所
ソフトバンク株式会社 竹芝本社

■採用するカップ及びリッドについて
【PLAカップ】
生分解性を有するバイオマスプラスチック「PLA*」を主成分とし、食洗器にも対応できる様に粘土鉱物や改質剤を加えた環境性能の高い素材からできています。
植物由来成分（PLA）80％ / 天然成分（粘土鉱物）10% / 石油由来成分（改質剤）10%

今回採用するPLAカップは、最終的に株式会社カミーノが回収し、再製品化されます。

＊PLA＝ポリ乳酸
トウモロコシやサトウキビ搾汁のデンプンを発酵して得られる乳酸を化学合成して作られる植物由来のプラスチック。微生物の働きにより最終的に水と二酸化炭素に分解させることができます。

【シリコーンリッド】
砂と酸素が主成分のシリコーンは、プラスチックのように炭素骨格を持たないため、燃やしてもほとんどCO2 を排出しません。また、科学的安定性が高く、耐久性があり、医療現場でも多用される安全な素材です。

■リユースカップ採用に伴う効果予測
ソフトバンク株式会社 竹芝本社では月間約３０万個の紙コップ、１０万個のプラスチックリッドを使用しています。この使い捨てされているカップ・リッドをリユースに変えることにより以下の効果が想定されます。

【廃棄物発生量低減効果】
月間3.2トンの廃棄物削減

紙コップ１０g × ３０万個 ＋ プラスチックリッド２g × １０万個
＊紙コップの表裏面には防水及び印刷をするためポリエチレンコーティングがされています。そのコーティングを剥がし再生させることは経済的に困難なため全て焼却処理されます。

【CO2 排出量削減効果】
月間10トンのCO2削減

紙コップ９トン ＋ プラスチックリッド１トン
＊CO2排出量は、CFP（カーボンフットプリント：原材料調達から廃棄に至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2換算したもの）値となります。
＊数値は国（環境省）が定めるCO2排出係数をもとに算出し、リユースカップ及びリッドを洗浄することで発生するCO2排出量（約200g）も勘案しています。
＊参考「３R 原単位の算出方法」環境省廃棄物・リサイクル対策部 企画課循環型社会推進室 68ページ

【その他期待される効果】
・エネルギー消費量低減効果
・ソフトバンク社員の環境に対する意識の変化